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セミナー講師の妻《第5話》

ここでは、「セミナー講師の妻《第5話》 」 に関する記事を紹介しています。
「一つ分からないのは豊浜サービスエリアに居るときに何で徳島だと言ったの?」

「そう言うように言われたの、貴方に心配させないように時間稼ぎしたのだと思う。」

「何だ、それだけ? 気遣いが出来ているね。」

「ええ、もっと私を抱きたかったみたい、契約外よね、追加請求しようかしら、それで新居浜のインターで
木下さんを下ろしてから常務が、君を抱きしめたいって言ったの。」

「抱きたいじゃなくて抱き締めたい?」

「そう、黙っていたら手を握りしめてきた、左手を握られたら放したと思うけれど、右手だったから許した
の。」

「ありがとう、君のそう言うところが好きだよ。」
※私の車(正確には私が運転する妻名義の車ですが)は左ハンドルのため、いつも妻の左手を握って運転し
ています。

「マリーナに着いて常務のヨットで沖へ出て、30分くらい音も無く進んで、月明かりで浜が見える所で錨を
降ろし 、帆を下ろした、そして、抱き締めたいって言って、私を全裸にしてから長い時間立ったままで
抱き締められてキスをされた。 風は冷たかったけれど、とても感じた。 彼は挿入しなかった、ヴァギナ
にも触らなかった、でも、どんどん濡れてくるのが分かった。 恋人のようだった。 長い時間そうされて、
イッてしまったの。」

「あそこにも触られずに?」

「指ではね、彼の太股でイカされたのかな?」

「俺とより感じたね。」

「ううん、貴方の方が感じるわ、でも確かに凄く感じた。私は自然に常務のを口にして吸ったわ、歯もたてた
彼は私の口の中で果てた。 それからしばらく毛布をかぶって常務の腕の中で月と砂浜を見ていたの、その間
何も話さなかった、どれぐらい居たのか全然分からない、夢を見ているようだった。少し眠ってしまったのか
知らない間にマリーナに帰っていて、彼に起こされた。私の服も車に持って行ったらしく靴だけ渡されて、裸
のまま駐車場まで歩かされた。レクサスではなくて、隣のジープに乗せられた。」

「ジープって幌付いていた?」

「ホロって何?」

「ああ、布製の屋根、だから屋根無しのオープン?」

「そう。」

「走っている間もずっと裸のまま?」

「ええ、でも、寒いって言ったら彼の上着を掛けてくれた。」

「レクサスからジープに乗り換えて山へでも行ったの?」

「ううん、車は関係無いみたいで、そのまま彼の家に行ったの、強いて言えば裸の私をオープンカーに乗せた
かったからじゃないかな?」

「常務の家って・・・一人者なの?」

「離婚なされたみたい。」

「それからベッド?」

「いいえ、二人でシャワーを浴びた・・・。」

「どうした・・?」

「ううん・・・抱き合って熱いキスをされ、温いシャワーをあびながら手でイカされたわ・・・。」

「それから?」

「送っていただいたの。」

「えっ!それで終わり?」

「そう、でもセックスより満ち足りたの。」

「ああ、分かる気がするよ。彼に恋をした?」

「そんなことは無い、恋人は貴方一人よ。 でも惹かれたかも・・・。」

「抱かれたい?」

「どうせ来週また抱かれるわ。」

「抱かれたい?」

「・・・・そうね、・・抱かれたいかな?」

「・・・・そうか・・・・・。」

「貴方・・・。」

「うん?」

「抱きしめて。」

妻の頬を涙が伝った、どんな意味の涙か考えると愛おしくなって強く抱きしめた。
新居浜から送ってもらえば1時間程度かかるが、その1時間については何も話さなかった事が気になった。
おそらく、満ち足りた至福の時間だったのだろう、話の途中から、常務を彼と呼び出した事に妻は気づいて
いない。
嫉妬とは少し違う胸の痛みと、よかったね、と思える愛情とが、同時に私を支配し、髪を撫でながら寝息を
聞いていた。
エタニティの香りがいつもより胸にしみる。

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